赤緑アグロ
さて、それでは順位を下げて赤緑アグロです。正直私はこのデッキはもう死んだと思っていました。しかしまだトーナメントに現れています。

なぜ私が死んだと思ったか?それは「《刃の接合者/Blade Splicer(NPH)》+《修復の天使/Restoration Angel(AVR)》=このデッキを吹き飛ばす」からです。
加えてM13の前に急激に数は減りました。ならなにが変わったのでしょうか?

M13にはThundermaw Hellkiteがあり、これはアグレッシブデッキにとって素晴らしいクリーチャーです。《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》がまたスタンダードで良く見るカードになるのなら、このカードもまた強いカードになるでしょう。
また《怨恨/Rancor(M13)》も手に入れました。

しかしM13ではまたThragtuskが追加されました。このカードはアグロデッキにとってAnthrax(病気の名前)のようなものです。
5点のライフはとても大きいですが、赤緑デッキの数はうなぎのぼりです。M13後のSCGのトップ16ではナヤ殻以上に数が居ます。

私が予想するにこの飛躍は青白の代わりに青単デルバーを選ぶ人が出てきて、接合者と天使の問題が取り除かれたことが原因です。他の理由はあなたの想像にお任せします。

興味深いことに、今週末のイングランドでのPTGでは沢山の除去を積んだコントロールスタイルのデッキがトップ8に入りました。この結果を見るに、翌週こういったスタイルのデッキが増えていくでしょう。

その結果を見て、私は自分自身赤緑デッキについて考えてみて、Flinthoof Boarを使うことを試みました。このカードは確かに《審判の日/Day of Judgment(M12)》系のカードに対しては良かったのですが、まだ環境を定義しているナヤや青白デルバーのようなデッキを倒している姿が想像できませんでした。
正解のデッキを探すのは難しいですね!

赤緑アグロ by jakers1016
Main Deck
4 Copperline Gorge
9 Forest
3 Kessig Wolf Run
3 Mountain
4 Rootbound Crag
4 Birds of Paradise
4 Huntmaster of the Fells
4 Llanowar Elves
4 Strangleroot Geist
2 Thragtusk
2 Thrun, the Last Troll
3 Thundermaw Hellkite
4 Viridian Emissary
4 Bonfire of the Damned
3 Pillar of Flame
3 Rancor
Sideboard
2 Ancient Grudge
2 Combust
2 Crushing Vines
1 Garruk, Primal Hunter
1 Pillar of Flame
2 Sword of Feast and Famine
2 Sword of War and Peace
3 Zealous Conscripts


まだ3つもデッキが残ってますね。今日誕生日なのに遅くなっちゃう。残りのデッキも素早く片しちゃいたいと思います。

ケッシグ
特にケッシグには時間を費やしたくありません。みんなデッキリストを知っているでしょう。
ほとんどのリストは伝統的な赤緑の構成で、《遥か見/Farseek(M13)》が加わりました。
そんな退屈なリストの代わりに今週の土曜のMOのプレミアイベントのトップ8にいた青バージョンを紹介します。
このデッキは悲しいことにとっても長い間スタンダード環境を欠席していた青タイタンさんに今やや軽視されている奇跡《時間の熟達/Temporal Mastery(AVR)》を使っています。

私は依然《マナ漏出/Mana Leak(M12)》を有すテンポデッキに溢れた環境でウルフランを選択するのは悪い選択だと思っています。でもいつも誰かがケッシグを使っていますね。

青ケッシグ by Sepirath05
Main Deck
2 Cavern of Souls
7 Forest
4 Glimmerpost
4 Hinterland Harbor
1 Inkmoth Nexus
4 Island
1 Kessig Wolf Run
1 Mountain
2 Sulfur Falls
3 Frost Titan
4 Primeval Titan
3 Solemn Simulacrum
4 Farseek
2 Garruk Relentless
1 Karn Liberated
4 Ponder
4 Rampant Growth
4 Temporal Mastery
2 Vapor Snag
3 Whipflare
Sideboard
1 Ancient Grudge
1 Beast Within
2 Blasphemous Act
2 Negate
2 Pillar of Flame
2 Silklash Spider
3 Thragtusk
1 Wurmcoil Engine
1 Zealous Conscripts


中速エスパーと黒単コントロール
最後に見るデッキはこの環境におけるコントロールデッキである中速エスパーと黒単コントロールです。
中速エスパーは一時期はノーデルバーと説明されていて、伝統的なコントロールとは異なるのですが、ほとんどのマッチでコントロール的な振る舞いをします。

中速エスパーの全ての価値は《刃の接合者/Blade Splicer(NPH)》、《修復の天使/Restoration Angel(AVR)》、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》から発生し、長期戦をプレインズウォーカーやフィニッシャーとともにするデッキです。

私は黒単がエスパーを超える魅力というものは分かりません。エスパーは黒が持つフィニッシャーを持っているし、場を接合者、天使、瞬唱でより良くすることができます。

黒単のリストは《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine(SOM)》とTradinc Postに依存しており、ゲームを終わらせるのにとても長い時間がかかります。
そのようなこともあり、《ソリン・マルコフ/Sorin Markov(M12)》と《ソリンの復讐/Sorin’s Vengeance(M12)》でゲームを終わらせるバージョンも存在します。

まだ白をタッチすることで《未練ある魂/Lingering Souls(DKA)》と《機を見た援軍/Timely Reinforcements(M12)》を入れて、場を良くし時間を稼いだり、《忘却の輪/Oblivion Ring(M12)》で全てに対処することができるようになります。

これらのデッキはより成功し人気あるデッキになるでしょう。そのためテストする際には軽視してはいけません。

黒単コントロール by HereticD2000
Main Deck
1 Buried Ruin
2 Phyrexia’s Core
21 Swamp
3 Solemn Simulacrum
2 Wurmcoil Engine
1 Batterskull
1 Black Sun’s Zenith
2 Consume Spirit
2 Go for the Throat
1 Grafdigger’s Cage
3 Ichor Wellspring
3 Liliana of the Veil
4 Mutilate
2 Mycosynth Wellspring
3 Nihil Spellbomb
2 Pristine Talisman
1 Ratchet Bomb
3 Trading Post
2 Tragic Slip
1 Tumble Magnet
Sideboard
2 Curse of Death’s Hold
1 Doom Blade
3 Duress
1 Grafdigger’s Cage
1 Karn Liberated
1 Spine of Ish Sah
2 Torpor Orb
1 Tumble Magnet
3 Vampire Nighthawk


中速エスパー by DoctorPenick
Main Deck
3 Cavern of Souls
4 Glacial Fortress
7 Island
1 Moorland Haunt
4 Plains
4 Seachrome Coast
4 Blade Splicer
2 Consecrated Sphinx
1 Phantasmal Image
4 Restoration Angel
4 Snapcaster Mage
2 Day of Judgment
2 Gideon Jura
3 Gitaxian Probe
1 Gut Shot
4 Mana Leak
4 Ponder
1 Tamiyo, the Moon Sage
2 Thought Scour
3 Vapor Snag
Sideboard
3 Celestial Purge
1 Day of Judgment
1 Dissipate
1 Divine Offering
1 Gut Shot
1 Jace, Memory Adept
1 Karn Liberated
1 Negate
1 Oblivion Ring
1 Phantasmal Image
1 Surgical Extraction
1 Tamiyo, the Moon Sage
1 Timely Reinforcements


終わりに
今まで紹介したのはスタンダードのメジャーなデッキの実情です。
ですが、最後にちょっと面白い脅威を紹介したいと思います。新しいデッキがメタに食い込むにはいつも時間がかかるものです。
メタ入り候補者たちとして、2つのデッキが目に入りました。私が今警戒しているポテンシャルを持ったデッキたちです。

最初はエルフです。みんなここ2、3週間《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves(M12)》と《東屋のエルフ/Arbor Elf(M13)》がフォーマットに同時に存在するエルフについて話していました。
ドローするための《エルフの幻想家/Elvish Visionary(M13)》とともに、《エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid(M12)》から大量に出たマナを、誰かが価値のあるものにするに違いがありませんでした。

エルフウェーブ by Kurt Crane
Main Deck
13 Forest
4 Razorverge Thicket
4 Sunpetal Grove
4 Arbor Elf
4 Birds of Paradise
1 Craterhoof Behemoth
4 Elvish Archdruid
4 Elvish Visionary
1 Ezuri, Renegade Leader
4 Llanowar Elves
4 Restoration Angel
3 Soul of the Harvest
2 Village Bell-Ringer
4 Genesis Wave
4 Green Sun’s Zenith
Sideboard
2 Mortarpod
1 Acidic Slime
2 Thragtusk
1 Wolfir Silverheart
2 Celestial Purge
1 Crushing Vines
1 Plummet
4 Thalia, Guardian of Thraben
1 Gavony Township


見たところこのデッキは《修復の天使/Restoration Angel(AVR)》とよりマナを出せるようにする《村の鐘鳴らし/Village Bell-Ringer(ISD)》を使うために白をタッチしていて、《起源の波/Genesis Wave(SOM)》かもしくは単純に《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith(MBS)》で《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth(AVR)》を持ってきて勝つデッキです。
このデッキはスタンダードにおいてコンボデッキに近くて、このデッキが今週末のSCG Openに再び現れたなら、このデッキに対処する必要が出てくるでしょう。

悲しいことにこれは私がお勧めしていた緑単がもはやデッキではないことを意味しています。このゲームプランを遮ることができず、ただ虐殺されてしまうだけですから。
一方で、除去の多いコントロールデッキ相手ならば上手くやれるでしょう。

私が早いころに述べたように、今週末のUK PTQは沢山のコントロールスタイルのデッキがいました。
あなたはあるM13のカードがコントロールを生み出す要因になったことが予測できましたか?
それはみんな大好き羊生成アーティファクトのTrading Postです。このカードはテゼレットとチームを組みUKに現れました。

青黒テゼレット by Jack Mitchell-Burns
Main Deck
2 Buried Ruin
4 Darkslick Shores
4 Drowned Catacombs
1 Ghost Quarter
2 Inkmoth Nexus
3 Phyrexia’s Core
1 Island
6 Swamp
3 Phyrexian Metamorph
2 Spellskite
2 Wurmcoil Engine
1 Batterskull
3 Ichor Wellspring
1 Mimic Vat
1 Mox Opal
2 Mycosynth Wellspring
3 Pristine Talisman
2 Ratchet Bomb
3 Trading Post
4 Tezzeret, Agent of Bolas
4 Black Sun’s Zenith
3 Despise
1 Doom Blade
3 Go for the Throat
Sideboard
2 Curse of Death’s Hold
2 Flashfreeze
1 Ghost Quarter
2 Grafdigger’s Cage
2 Nihil Spellbomb
2 Phantasmal Image
1 Spellskite
3 Vampire Nighthawk


私は沢山のアーティファクトを生贄・プレイしたいテゼレットスタイルのリストにPostを入れるのは好きです。
Trading Postはとっても上手く、基本的に全てを行い、加えて5/5になります。またたくさんのアーティファクトとともに、テゼレットは究極奥義はとっても良い勝利条件となってくれます。
私はこのリストを自分自身で試していませんので、あまり多くをコメントするのは避けたいと思います。しかしこのデッキを試してみるのがとっても楽しみに思います。

このようなデッキが広く流行るようになると《地の封印/Ground Seal(M13)》は全ての緑のデッキのマストサイドボードカードになるでしょう。
そしてそれはこのデッキのメタゲーム上での躍進を完全に止めることになるかもしれません。
私はたとえあなたがTrading Postを想定していなかったとしても、お勧めしたいです。なぜならこのカードは緑単にとっての目だって強力な対デルバーカードです。

ごめんなさい、そろそろディナーに行かないといけないの。それではまた来週会いましょう!
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関係ないけどどんな翻訳記事が需要あるんだろう。

コメント

高潮の
2012年8月3日2:24

はじめまして。楽しく読みました。需要についてですが、スタンダードが一番競技人口が多く、かつ翻訳も少ないので需要は大きいと考えます。ただどうしても賞味期限が短くなりがちで訳す側としてはしんどい面もあるでしょう(翻訳が少ない一因でもあると思います)。自分が訳した記事ではプレイングの記事が一番アクセスが多いです。著者がPVだからというのもあるかも知れません。カードデザインの記事はさっぱりで、過去のデッキの話はそれよりはだいぶまし、という感じです。やはり競技的な側面に魅力を感じている人が一番多いのだろうな、という印象を受けます。

naota
2012年8月4日15:36

はじめまして、コメントありがとうございます!
やはりプレイングなど記事の時期に関わらないMTGの本質に関わるものは需要があるようですね・・・。
津村さんの連載が終わってしまったためこの記事のようなスタンダードをとりまとめる記事が必要だと感じたのですが、確かに1週間も経てば古い情報になってしまうため翻訳する側としては悲しい気持ちがあります。

自分の記事なら自己満足だから別にいいけど、翻訳記事って自己満足にもならない完全に他人のためにすることだから反応が薄いと「もしかして苦労して翻訳した記事は誰も興味なかったのか!?」って不安になっちゃうんですよねw

ギアス
2012年8月4日19:19

始めまして! 前後編読ませて頂きました!
なかなか大会に出れないのでこういうの書いていただけると非常に助かります!

リンクさせて頂きました!よろしくお願いします!

naota
2012年8月4日23:32

リンクありがとうございます!

やはりこういった記事も需要はありますよね!頻繁には厳しいかもしれませんが、定期的にこういった記事もあげていきたいと思います。

nophoto
fukuro
2012年8月5日10:12

通りすがりですが、興味深く読ませて頂きました。
自分があまりやらないのですがスタン動向は気になりますし、読んでいて面白く非常に嬉しい記事でした。津村さんの記事の終了があった分、一般的需要も高いかと思います。
しかし最近は交易所流行ってるんですねー。リミテじゃ色々できて面白いカードだなーと思っていたのですが、こう噛み合ってくるとは。

naota
2012年8月8日15:34

そういった感想が貰えると嬉しいです!
津村さんの連載が終わってしまいこういったスタンダードを取りまとめる記事がなくなってしまったのは大きいですもんね。

交易所は悠長ですけど殻みたいな感じに対処できないとどんどんアドバンテージを取れるカードでした。使ったことはないですけど、使われた感じワームとぐろをぐるぐるする動きは強かったですねー。

まじん
2012年8月9日0:23

はじめましてケッシグのレシピを探しながら飛んできました。
青ケッシグはなかなか面白いとおもって読んでいました、自分の中での視野が広がったので感謝しています。
リンクさせてもらったのでお願いします。

naota
2012年8月11日14:13

青ケッシグは面白いですよね!
1人で構築・調整してるだけじゃ見えないアイディアが得られてそれが調整にやくだったりするので、ローグデッキを知ることも大事だと思います。微光地ケッシグもウルフボールから得たアイディアでしたし。
リンクありがとうございます!

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