ギタクシア派の調査は非常に評価が難しいカードだと思います。
同じ1ドローとはいえ定業のように分かりやすい潜在的アドバンテージを取ってくれるわけでもありません。例えば定業は土地が欲しいときにトップの土地以外をボトムに2枚送ることができれば,アドバンテージはとっていないものの実質3ドローに近い働きをしてくれたことになります。しかしギタクシア派の調査はただ見知らぬ別のカードに変わるだけ。とはいえその過程で相手の手札を見ることができて,さらにライフで支払うこともできます。そのメリットとデメリット,そして入れるべきデッキに関してまとめていきたいと思います。

メリット
・相手の手札を見ることができる。
これは「ライフを得る」「ダメージを与える」「カードを2枚引く」のように分かりやすく“何か”が変化するようなものではありません。あくまで情報を得るだけで何も変化がありません。
ですが,相手の手札を見ることで沢山ある選択肢の中から限りなく正解に近い行動を選ぶことができます。
例えば相手が青黒コンで,リークをケアするか,雲散ケアして弱めのカード出すか,しないでぶっぱするか。
コントロールを使っていても,カウンターを構えるか,ドローするか,フィニッシャーを出すか,デイジャで流すか。
ビートを使っていても,デイジャケアして展開しない,だとか除去ケアして天使の運命をつけないとか。
相手の手札に依存する選択肢は沢山あります。
どんなに理論的に考えて行動しても正解は結局相手の手札次第です。そしてその選択によって勝敗は大きく変わります。それが手札さえわかってしまえば悩むことなく正解を選ぶことができます。これは数値的にはわかりにくいですが明らかなメリットです。

・デッキを56枚にできる。
MTGのルールが変わってデッキを56枚にしていいよ。って言われたら誰もが56枚にすると思います。
したがって「0:カードを1枚引く」ってカードができたら誰もが4積みすると思います。つまりギタクシア派の調査のような疑似的にデッキの枚数を減らせるカードに関して「デッキに入るスペースがないから入れない」っていうのは嘘で,デメリットが気にならない範囲で積めるだけ積むべきカードです。他のカードなんて関係なくて,このカードの枚数に他のカードの枚数を合わせるべき。これでスペースないって人はルールが変わってデッキ枚数が最低40枚になっても60枚でデッキを組むんですよね。

デメリット
・青1マナもしくは2点のライフが必要。
カードを1枚引くってことは「別のカードに化けること」であってそれ自体は何もしません。
つまりギタクシア派の調査がプレイされるまで「本来引けてるべきカードが手札にない」つまり「ドローが1ターン遅れる」のと同じようなことです。

おそらくギタクシア派の調査をデッキに入れるということは当然デッキを56枚にするつもりでデッキを作ります。土地の枚数は当然1~2枚減りますし,他のカードもそれに合わせて減ると思います。
つまりギタクシア派の調査がプレイされる前提の構成というわけで,プレイできずに手札にたまれば当然土地はつまりますし,たまった分だけ展開は遅れていきます。
そこでギタクシア派の調査にコストが存在することがデメリットになっていきます。
1ターン目にプレイできればいいですが,下手にマナを払ってしまったがためにリークがささってしまうかもしれませんし,これのマナのせいでカウンターを構えられないかもしれない(プレイするまで引けるカードはわからないので特に)。
対コントロールだったとしても気軽に払ってしまった2点が原因で負けるかもしれない。
そのためこのカードを使うにはそのコストを払う余裕があるデッキである必要があります。

・初手のキープ率が下がる。
例えば定業は土地がすくなければ土地に,土地が多ければ土地以外に化けてくれる素晴らしいカードでした。「定業キープ」と言われるくらいキープ率を上げてくれました。
一方ギタクシア派の調査はいわば未知のカードです。別のカードに化けますが,それは土地かもしれないし土地じゃないかもしれない。重いカードかもしれないし軽いカードかもしれない。ギタクシア派の調査が手札にあるということは裏っかえしのカードが手札にあるのと同じことです。
例えばデッキの半分が「0:カードを引く」ってカードだとします。初手全部それだったらキープできますか?いざ蓋を開けてみたら全部土地かもしれないし全部スペルかもしれない。そういうことです。

入れるべきデッキ
このカードのメリットは特にメリットが強く働くデッキはあるものの,基本的にMTGのデッキ全てに当てはまるメリットです。デッキの枚数が減るんですから。したがってデメリットさえ無視できるようなデッキなら,このカードは入れられるだけ入れるべきです。

・初手のキープ率が下がる。
MTGのデッキはデッキによってキープ率が違います。それは色拘束のせいであったり土地の枚数のせいであったりデッキのカードの偏りのせいであったり要因はさまざま。今だと殻が重いカードや特定の役割でしか働けないカードが多く入っていてキープが難しいデッキだと思います。
そういったキープ率の低いデッキがさらにキープ率を下げるのは自殺行為で,ある程度キープ率を下げる余裕のあるデッキが入れるべきです。

・青1マナもしくは2点のライフが必要。
基本的にはライフを払いたいデッキなんて存在しないので青1マナ払う余裕があるデッキに入って最悪ペイライフの形になると思います。
(ビートダウンが序盤にマナ余ることはないと思うので,青いコントロールデッキ前提で書きます。)
今青いコントロールデッキが1ターン目にすることなんてないんで,理想は1ターン目にプレイできること。逆に2ターン目はリーク構えながらThink Twice,3ターン目は雲散構えながらアルケミーorThink Twiceフラッシュバックをしたいと思うので,1ターン目にプレイできないようだったら数ターン手札に腐ってしまいます。
また青マナ源が2枚以上ないとカウンターを構えながらプレイできないのである程度青マナに余裕は必要です。ということでエスパーコンみたいなデッキは積みづらいカード。
このカードはあくまで他のカードに化ける過程で相手の手札を見るカードで,プレイできずに手札にたまったり2点ペイライフすることが多ければ減らすor抜けるべきカードです。

また例外としてデモコン理論みたいに「2点のライフを払ったところで勝てればいい」というデッキも存在します。コンボデッキとか自分のライフなんてどうでもいいレベルにとんがったビートダウンとか。特にコンボデッキは相手の手札を見れるのがコンボの成功率を上げることにつながるので相性が良いです。実際に良く採用されてるし。

まとめ
まとめると,ギタクシア派の調査は「他のカードに化ける過程で相手の手札を見るカード」であってそれ自体では何もしない。したがってプレイする余裕のあるデッキが入れるべきで,逆に言えばプレイできる余裕があるのならば入れられるだけ入れるべきカード。
プレイする余裕というのは理想は1ターン目に青の出るコントロールデッキ(青のアンタップインランドが多いデッキ),そしてそれ以降もカウンター構えつつ青1マナ払えるデッキ(青マナが潤滑なデッキ)。

ということで青白コン青黒コンに合ったカードだと思います。青黒は回したことないんで予想でしかないですが。
キープ率やマナ的な問題で4積みが厳しいようなら3積みでも2積みでも1積みでも。特にそれらのデッキだと瞬唱の選択肢が増えるため,上に書いた以上にメリットがあると思います。

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