[翻訳]Carrie On - スタンダードの変貌 前編
[翻訳]Carrie On - スタンダードの変貌 前編
Carrie On - The Changing Face of Standard
http://www.channelfireball.com/articles/carrie-on-%E2%80%93-the-changing-face-of-standard/

私は科学者としての教育を受けてきて、病理学の博士号を持ってます。
そのためデータを見ることが大好きかと思うかもしれませんが、実際私は本当に構築のメタゲームを楽しんでいます。
そして今度PTQsとWMCがあるから、ちょうど今スタンダードに全てを費やしているところです。
M13が追加されてから3週間経った今、新カードの影響と重要性、何が勝っているかを見ていきたいと思います。

オンラインのメタゲーム
全てトーナメントのデッキを手に入れることは出来ないから、よくMOのDailyEventの結果を使います。
オンライン上のメタは健全に見えて、想定されるデッキもいれば青緑感染、赤単ワイルドファイア、バベルなど様々なデッキが存在します。
しかしそういったあまり見ないデッキは除外して、1日に5回以上現れたデッキのみを対象として集計します。
そうして集計したデッキを大まかに分類したものが画像1のものとなります。

楽しめる良いデータでしょう。エッジの周囲にある数字はそのデッキの占める割合を示しています。
私の美しい、色とりどりのパイが示している通り、デルバーは依然としてトップを占めています。
デルバーには沢山のバリエーションがあって、これについては後々説明します。
次が殻で、ほとんどがナヤカラーです。殻は多く色の組み合わせが試されたにも関わらず、ほとんどは成功しませんでした。

次に来るのがゾンビです。ゾンビデッキには“バニラ”“ブルーベリー”“ストロベリー”という3つの“味”があります。
個人的にストロベリーが好きで、思うに最もアグレッシブで調整されたデッキです。
他は赤緑アグロ、ケッシグ、中速エスパー、そして黒単コントロールです。

M13前のSCG Inventionalで50%を青白デルバーが占めていたことを考えると、健全な環境になりました。

現実世界に戻る
この統計は人々が何をしたくて、何をするべきと考えているかということを考えるにあたりよい助けになります。
では次に実際にメジャーなトーナメントで成功しているものについて見ていきましょう。
M13後の3つのSCGイベントにおいて、トップ16のリストを上と同じ基準で分類したものが画像2になります。

3週間にわたる3つのトーナメントの結果を取ることには、週から週へのメタゲームの違いが異なった結果を産むという問題があります。
ですが面白いことにほとんどの割合が画像1と同じとなりました。赤緑アグロとゾンビの位置が変わったものの、デルバーはナヤをリードしています。
奇妙なことに“Other”が一番成功の割合を占めることになりましたが、ほとんど重複はありませんでした。2つのナヤアグロと2つの緑単アグロが最も注目すべきものです。

7つのメジャーなデッキについて詳しく見てみる
7つのデッキがメタゲームの中心にいました。デルバー、殻、ゾンビ、赤緑アグロ、ケッシグ、中速エスパー、そして黒単コントロールです。
それらのデッキはM13を得て変わったのでしょうか、そしてこれらの幅広いタイトルの下で何が起きているのでしょうか。

デルバー
最初の議題はデルバーです。彼はスタンダードのメタゲームを多く食ってきたことで有名で、恐ろしい獣に変身します。
まじめな話、私たちはこれらのデッキを“デルバー”ではなく彼のダークサイドである“(昆虫の)逸脱者”と呼んだほうが良いかもしれませんね。

話は逸れて、デルバーには4つのバリエーションが存在します。そう、4つです。
青白は以前としてリードしていて、M13前から変わっていません。青白における大きなバリエーションといえば《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》、《翼の接合者/Wing Splicer(NPH)》の選択の違いでしょう。
個人的な意見としては、接合者はより価値があってトラフトをとっても上手くブロックしてくれますが、トラフトは空の場において素早い仕事を見せてくれます。

デルバーデッキの急速な広がりを見たときはジャンドを思い出しました。
みんながほぼ同一のリストをしばらくの間回し、弱くなってくると人々は新たな道を探しプリズムに当たった光のように分裂しまていきました。最も良いバージョンは決して現れません。
ジャンドは依然として強いデッキでしたが、その支配力は衰えてしまいました。おそらく(「希望を抱いている」って読んでね)私たちはデルバーでもその姿を見ることになるでしょう。

青白デルバー by Jaberwocki
Main Deck
4 Glacial Fortress
9 Island
3 Moorland Haunt
1 Plains
4 Seachrome Coast
4 Delver of Secrets
4 Geist of Saint Traft
3 Restoration Angel
4 Snapcaster Mage
1 Dismember
4 Gitaxian Probe
3 Gut Shot
4 Mana Leak
4 Ponder
2 Sword of War and Peace
2 Thought Scour
4 Vapor Snag
Sideboard
3 Celestial Purge
2 Consecrated Sphinx
2 Day of Judgment
2 Dissipate
1 Oblivion Ring
2 Phantasmal Image
1 Plains
2 Timely Reinforcements


デルバースピリットは依然としてオンライン上に存在しています。このバージョンはPTホノルルでデビューしましたが、M13やAVRで何も得ませんでした。
それどころか、《修復の天使/Restoration Angel(AVR)》がメタゲーム上におけるこのデッキを弱体化させてしまいました。
ほとんどの人が3/4をプレイして、3/3のスピリットやロードをとっても上手くブロックします。そんなこともあって、私はこのバージョンがスタンダードにいることには納得していません。
ですが私の大好きな《ダングローブの長老/Dungrove Elder(M12)》と同じように存在を忘れてはいけません。メタが噛み合えばすぐに舞い戻ってくるでしょう。

デルバースピリット by Yoyamime
Main Deck
3 Darkslick Shores
3 Evolving Wilds
4 Glacial Fortress
4 Island
2 Moorland Haunt
2 Plains
3 Seachrome Coast
1 Swamp
4 Delver of Secrets
4 Drogskol Captain
3 Dungeon Geists
3 Phantasmal Image
4 Snapcaster Mage
2 Dismember
4 Gitaxian Probe
4 Lingering Souls
2 Mana Leak
4 Ponder
4 Vapor Snag
Sideboard
1 Dungeon Geists
1 Mana Leak
3 Oblivion Ring
1 Phantasmal Image
1 Revoke Existence
2 Runechanter’s Pike
3 Terminus
3 Timely Reinforcements


M13のおかげで完全に新しい亜種が生まれました。RUGと青単です。

RUGは《クウィリーオンのドライアド/Quirion Dryad(M13)》というM13の私が大好きなカードを使うことができます。それが再録ということはしっているけれど、最初のときを見たことがありませんでした。
デッキを構築するにあたりちょっと奇妙なカードで、緑でないデッキで最大限の効果を発揮できますが、その効果の恩恵を最も受けるためには2ターン目にプレイできるマナ基盤も必要になります。

RUGデルバーのリストは以前よりメタに表れていました。私が思うにそれはAVR前《修復の天使/Restoration Angel(AVR)》がいなかったため、デルバーに対して《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》の代わりに《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells(DKA)》を採用することが効果的であったため現れました。
AVR後は青白が調子良いことは明白になりましたが、《クウィリーオンのドライアド/Quirion Dryad(M13)》はおそらく人々に山と森をもう一度追加することを試す納得できる理由になるでしょう。
そして誰が彼らを非難することができるのでしょうか?私はもう青白デルバーを見ることも使うこともうんざりです。

ドライアドは愛してるけど、大きな問題があります。そう、《蒸気の絡みつき/Vapor Snag(NPH)》です。
《蒸気の絡みつき/Vapor Snag(NPH)》はあなたが行ったきつい仕事を全て“やりなおし”させてしまうため、私はRUGデルバーが青白デルバーを倒すことができるとは確信していません。
接合者のトークン除去を目的とした《蒸気の絡みつき/Vapor Snag(NPH)》はそこまで脅威ではありませんからね。

興味深いことにSCGのトップ16リストには表れていないものの、RUGデルバーはオンライン上において2番目にポピュラーなデルバーのアーキタイプです。
それらのRUGのリストは幸運にも短いトーナメントで勝つことはできても大きなスイスイベントで上位に位置する力は持っていないのか、もしくは誰もそういったトーナメントでプレイしていないのかもしれません。
本当に理由を知りたいです。

RUGデルバー by Emperok
Main Deck
3 Cavern of Souls
3 Copperline Gorge
2 Evolving Wilds
1 Forest
2 Hinterland Harbor
7 Island
1 Mountain
2 Sulfur Falls
4 Delver of Secrets
4 Huntmaster of the Fells
4 Quirion Dryad
4 Snapcaster Mage
3 Bonfire of the Damned
1 Dismember
4 Gitaxian Probe
1 Gut Shot
2 Mana Leak
1 Mutagenic Growth
3 Pillar of Flame
4 Ponder
1 Thought Scour
3 Vapor Snag
Sideboard
2 Ancient Grudge
2 Combust
1 Dissipate
1 Gut Shot
1 Mana Leak
2 Mental Misstep
1 Negate
2 Phantasmal Image
1 Pillar of Flame
2 Zealous Conscripts


SCGイベントでRUGが出てこない代わりに、“青単”デルバーが居ます。実際オンライン上の数以上にいるでしょう。
ほとんどのリストは実際に単色ではなくて、《ムーアランドの憑依地/Moorland Haunt(ISD)》をタッチして柔軟性を持たせています。
ですが《修復の天使/Restoration Angel(AVR)》と《刃の接合者/Blade Splicer(NPH)》はもはやこのバージョンにはいません。
代わりにこのデッキが使うのはM13で追加された2つの新しいカードで、相手のクロックを失速させてカードを引く(およそ75%の確率)Augur of Bolasと、フィニッシャーのTalrand, Sky Summonerです。
ターランドを突き出すことは、型にはまったデルバーのリストに対する大きな脅威になります。しかし4マナのクリーチャーであるため、リークやスナッグに対して少し慎重になってしまいます。

青単デルバー by carlosale123
Main Deck
2 Cavern of Souls
4 Glacial Fortress
8 Island
1 Moorland Haunt
4 Seachrome Coast
3 Augur of Bolas
4 Delver of Secrets
2 Phantasmal Image
4 Snapcaster Mage
3 Talrand, Sky Summoner
3 Gitaxian Probe
4 Gut Shot
2 Mana Leak
2 Mutagenic Growth
4 Ponder
2 Runechanter’s Pike
4 Thought Scour
4 Vapor Snag
Sideboard
4 Celestial Purge
2 Dismember
1 Dissipate
1 Negate
1 Phantasmal Image
3 Restoration Angel
2 Sword of Feast and Famine
1 Timely Reinforcements


これでデルバーのラインナップは終わりです。散らかってきていますね。

ナヤ殻
次に注目するのは殻、より明確に言うならナヤ殻です。
私は全ての殻のバージョンが好きですが、ナヤ殻は単純に今最も成功しているデッキです。

私はこのデッキを週末のPTGで使いました。
緑単がお気に入りだったためこのデッキを試したのはそれが初めてしたが、とっても感銘を受けました。
私は殻もかがり火も引くことができなかったんですけど、それでもこのデッキに失望することはありませんでした。
多くのシナジー、価値、カードパワー、クリーチャーベースのデッキに望む全てがあります。

ナヤ殻
Main Deck
4 Cavern of Souls
4 Gavony Township
4 Razorverge Thicket
4 Copperline Gorge
1 Mountain
2 Plains
4 Forest
3 Bonfire of the Damned
3 Birthing Pod
1 Acidic Slime
4 Avacyn’s Pilgrim
4 Birds of Paradise
4 Blade Splicer
2 Borderland Ranger
1 Elesh Norn, Grand Cenobite
2 Elvish Visionary
1 Geist-Honored Monk
2 Huntmaster of the Fells
4 Restoration Angel
3 Thalia, Guardian of Thraben
1 Thragtusk
1 Wurmcoil Engine
1 Zealous Conscripts
Sideboard
1 Ancient Grudge
4 Celestial Purge
1 Crushing Vines
1 Fiend Hunter
2 Hero of Bladehold
1 Mirran Crusader
1 Phyrexian Metamorph
1 Thalia, Guardian of Thraben
1 Thragtusk
1 Wolfir Silverheart
1 Zealous Conscripts


このバージョンは他に比べ少しアグレッシブさに欠けています。《エルフの幻想家/Elvish Visionary(M13)》を《絡み根の霊/Strangleroot Geist(DKA)》の代わりに入れて、《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite(NPH)》が返ってきました。

《エルフの幻想家/Elvish Visionary(M13)》は《絡み根の霊/Strangleroot Geist(DKA)》よりとっても簡単にキャストできて、4枚の《ガヴォニーの居住区/Gavony Township(ISD)》と《魂の洞窟/Cavern of Souls(AVR)》でも動きが悪くなりづらいです。
幻想家は少しアグレッシブさに欠けますが、殻との相性は相変わらず良くて、本当にスムーズなドローの助けになります。

他のM13で追加されたカードは、予想通りですがThragtuskです。殻デッキがこのカードから得ることの出来る価値は狂気じみていますね。

《修復の天使/Restoration Angel(AVR)》はビーストトークンという友達を作ることが大好きですが、バント殻で《狙い澄ましの航海士/Deadeye Navigator(AVR)》と結魂したときがもっとも恐ろしいことになります。

私が週末このリストをプレイしたときに感じた印象がいくつかあります。
まず《霊誉の僧兵/Geist-Honored Monk(ISD)》は、恐らく入れられた目的であるデルバーに対してもあまり良くありませんでした。
デルバーデッキの苦手なThragtuskがあるから、もはや75枚の中に必要でないと感じています。

また絡み根が抜けたおかげで、《ウルフィーの銀心/Wolfir Silverheart(AVR)》がメインに移るスペースが出来ました。
このカードはミラーマッチにおいて力を発揮して、メタゲームにおいて重要な1枚です。デカいかがり火を除いてほとんどの殻がこのデカブツの脅威を抑えることができません。
もしあなたの相手がこれを持っていた場合、こっちも銀心を出すことで対処することができます。

サリアにはがっかりさせられました。デルバーに対しては良く効くけれど、殻やかがり火とはアンチシナジーでメインデッキに3枚は多くの場合においてオーバーキルでした。
1枚か2枚に減らして追加の幻想家と1枚の絡み根を入れるのが良いと思います。

他はとっても良いリストだと思います。そしてデルバーに対して強いから、おすすめです。

ゾンビ
次はフォーマットにおいて最もアグレッシブなデッキの1つである地を這う遺体たちです。

さっき味で例えて混乱したかもしれないけれど、黒単、青、赤って意味ですよ。私はブルーベリー味のゾンビってアイディアが好きです。

黒赤以外のレシピは本当におすすめできなくて、《ファルケンラスの貴種/Falkenrath Aristocrat(DKA)》はゴーレムトークンを超えて最後の数点を削りきるとっても強力なフィニッシャーです。
さらに《修復の天使/Restoration Angel(AVR)》の不意打ちでも生き残ることができます(簡単に場に戻せる《墓所這い/Gravecrawler(DKA)》を生贄にささげられることができるためさらに価値があります)。

他の色にない赤は火力で削りきるプランがあるのも良いですね。全てがそれをするために《血の芸術家/Blood Artist(AVR)》を採用しているけれど、依然としてこの色の利点です。

ゾンビはプレイングが難しいため過小評価しやすいデッキです。
最近のプレイテストではすごく面白いシチュエーションがありました。ゾンビプレイヤーとナヤプレイヤーの両方の正しいプレイングを得るために4人必要でした。
何をするべきか、本当にデッキを理解しているゾンビプレイヤーと戦うときは、勝つためにトップが必要です。幸運なことに、それがとても多く起こるわけではありません。
しかしメタ上に存在する価値のあるデッキだということを意味しています。

黒赤ゾンビ by Denarius
Main Deck
4 Blackcleave Cliffs
4 Cavern of Souls
4 Dragonskull Summit
10 Swamp
4 Blood Artist
4 Diregraf Ghoul
2 Falkenrath Aristocrat
3 Fume Spitter
4 Geralf’s Messenger
4 Gravecrawler
2 Highborn Ghoul
2 Arc Trail
4 Brimstone Volley
2 Go for the Throat
2 Mortarpod
3 Sign in Blood
2 Tragic Slip
Sideboard
1 Arc Trail
2 Geth’s Verdict
2 Manabarbs
2 Manic Vandal
2 Nihil Spellbomb
2 Phyrexian Metamorph
2 Pillar of Flame
2 Zealous Conscripts


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正直今のMOのDailyEventはMO事情が絡んでるからなー。
RUGデルバーが多いのは新カード使いたい&M13解禁後すぐ使えるカードがドライアドだったってのがあると思うし、青単デルバーがいないのはM13のパーツが多いからってのがあると思う。
祭りが始まってからM13のカードは集めたいし。

コメント

nophoto
typo
2012年8月2日11:18

×dairy event
○daily event

naota
2012年8月2日12:44

ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。

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